ルーシーの衣装 特集:ルーシー・フラワーズ2022

【衣装解説】『ルーシー・フラワーズ』のワードローブ <第6回 シー>②

楽劇座『ルーシー・フラワーズ』シリーズにおいて、見どころの一つである衣装

ここでは一人一人に注目して、衣装の魅力を解説していこうと思います。

第6回は前回に続きシー(演:齋藤蓉子)さん、後編です!

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【衣装解説】『ルーシー・フラワーズ』のワードローブ <第5回 シー>①

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シーらしさの秘密 ~フラワーズ~

前回はシーさんのコーディネート全体を解説し、「全体を見た後だからこそ納得できる、シーらしさのポイントが2つある」と言っていましたね。今回はそこを解説し、より「シーらしさ」の秘密に迫って行こうと思います!

まず1つめのポイント。それは『お花のモチーフ』です。

ブラウスの刺繍。襟のレースのバラ柄。2つの指輪、ボトムスに描かれたちょっと印象派タッチのお花、お花、お花……。

実はシーさんのコーディネートは全身にさりげなくお花モチーフが施されているのです!

……いや、アリスママの後だとそう感じにくいかもしれませんが(なんか前回も言ったなこれ)、あの人のは全くさりげなく無いし、「施す」って言うより「度を超す」って感じだし……。

それはさておき、たとえば猫を飼うようになってから身の回りが自然と猫グッズばかりになっていた……なんてあるあるじゃないでしょうか。(限りなく実話です)

あとはゲームのキャラクターなんかでもよくありますよね。月に縁のあるキャラの衣装に三日月モチーフがデザインされていたり……。

モチーフとしてのお花がコーディネート全体にちりばめられているのはシーさんの大きな特徴です。きっとお花が大好きなんでしょうね! さすがルーシー・『フラワーズ』です! (シーさんが劇中で話題にした植物って「感傷という名の快楽がもたらす孤独な虚無感という名の木」くらいしかぱっと思い当たりませんが)

ちなみにシーさんはお花の形の指輪を2つ付けています。 前回触れた「可愛いオシャレ好き」にも繋がりますね。

シーらしさの秘密 ~リラックス~

そして2つめのポイント。それはずばり「めっちゃラク」なんです。

……意味が解りませんか? そうかもしれませんね……。

これはお客様はもちろん、もしかしたらずっと隣で共演されているルー役の五條なつきさんや、作・演出家の関口純さんでも実感されたことは無いかと思います。僕だからこそ自信を持って言える事です。

過去のおはなしで「偽シー」というキャラクターが登場した回があります。シーの服装をして、シーがやるような事をして、シーに成りすましているけど、どう見てもシーじゃない奴。シーの偽物です。

何を隠そう、演じたのは僕(大向しんじ)です。

※偽シーについては、めいる先生による『【キャラクター解説】愉快で楽しいファミリー編』をぜひご参照下さい。

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【キャラクター解説】猫に金魚にタンバリン⁉︎ルーシーの生活には欠かせない♪愉快で楽しいファミリー編

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そう! つまり僕はシーさんの衣装に袖を通したことがあるのです! だからこそ言えるのです。シーさんの衣装、めっちゃ着心地いい。

着心地といっても「超高級ベルギー産リネン素材100%」とかそういう事ではなく。

たとえばブラウスを見ると、程よくクタっと温かみのある生地で、体周りにゆったりと余裕があります。ボトムスもふんわりゆったりな上にサロペットなので全く締め付けが無いんです。

トップスもボトムスもとにかく柔らかくて軽くて楽ちんなんですよ!

(余談ですがブラウスはカーディガンで隠れる部分にも刺繍があります。んもー、おしゃれ! )

しかも偽シーは途中で正体が暴かれるシーンがあるため、『正体』を中に着こんでおく必要がありました。こんなこと自分から言うのも複雑ですがシー役の蓉子さんは僕より圧倒的細身です。

「ええぇ……蓉子さんサイズの衣装に袖を通すだけでも若干不安なんだけど、こんなモコモコ重ね着状態で動いて踊って大丈夫……? 」とかなり心配だったのですが、驚くほど問題なく着用できました。

つまりそれだけ余裕のある、リラックスできる服なんです! 余裕があって、気楽で身軽で……これってとっても「シーらしい」と思いませんか?

ちょいちょい引き合いに出してなんですが、コルセット締めて髪結い上げてバラ盛りまくりのアリスママとは大違いです。

衣装を着るならどんなふうに?

もちろん衣装の着心地は楽であるに越したことはありませんが、言いたいのは単にそれだけではありません。僕がシーさんの衣装で素晴らしいと思うのはその『着こなし』です。

たとえばあなたが衣装で「ブラウス」を着ることになったとします。

そのブラウスは「体に沿った細身の仕立て」ですか? 「体に沿わないゆったりした仕立て」ですか?

襟は「首で立ち上がっている」タイプですか? それとも「肩に沿って寝ている」ものですか?

「ボタンはどこまで留めて(もしくは外して)いるか」、「裾はボトムスに入れているのか出しているのか」、「袖は捲っているかいないか。捲っているならどのように? 」……。

同じ「ブラウスを着ている」でもそれらによって印象は大きく変わると思いませんか? 特に最後の方は、同じブラウスであったとしても別の印象になる『着こなし』の要素です。

シーさんは締め付けないアイテムの組み合わせに、短い靴下を合わせたり、カーディガンのボタンを一部外したり、シャツアウトして裾を見せたり……とってもリラックスしたナチュラルな『着こなし』をしています。

シーさんの(一見)優しい性格。遊び心や抜け感。フェミニンな嗜好。遊びに家事に動き回る自然体の活動性。シーさんの衣装からはどれも感じ取れますし、その何割かは間違いなく『着こなし』から来るものです。

衣装や小道具を自分のものとして自然に着こなすのって、台本の台詞を自分の言葉にするのと同じなのかもしれませんね。

シーさんのワードローブ・まとめ

さて、八の字眉幸子さんから始まった『ルーシー・フラワーズ衣装解説』もいよいよここまで参りました。次回は誰か……ぼかす必要も無いでしょう。

シーに並ぶはもちろんこの人! あとに控えし赤い影!大変長らくお待たせしました、いよいよ次回はルー編です! どうぞご期待ください!

執筆:大向しんじ
(c)Rrose Sélavy

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