ルーシーあれこれ 特集:ルーシー・フラワーズ2022

【キャラクター解説】悩める童話の主人公!歴代クライアントベイベーのお悩みを振り返ろう♪編③

みなさん、こんにちは!イラストレーターのめいるです。

この連載では『ルーシー・フラワーズは風に乗り、まだ見ぬ世界の扉を開けた』に登場する個性豊かなキャラクター達を、めいる独自の目線でイラスト&写真と共に解説しています。

キャラクター解説もいよいよ終盤! 今回もルーとシーのお家にお悩み相談にやって来た歴代のクライアントベイベー達(現代を生きる童話の主人公達)の物語を振り返っていきたいと思います♪

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【キャラクター解説】悩める童話の主人公!歴代クライアントベイベーのお悩みを振り返ろう♪編②

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シニフィアン

季節は夏真っ盛り! こんなアツい夏にはバカンスがぴったり~♪ という事で……

ルーとシーは麦わら帽子にお揃いのTシャツ、色違いのチュールスカートというファッションに身を包み、いつものお家を飛び出します。

常夏のアイランドに到着し、いざホテルへチェックイ〜ン……しようとしたところで、偶然にもお騒がせトラブルメーカー八の字眉幸子と遭遇!! 踵を返しかけるルーとシーでしたが、運命の再会に大喜びな幸子さんからはもちろん逃げられません(笑)

ホテルのロビーで出会ったレゲエ風な受付嬢(以下レゲエちゃん)とも仲良くなったところで、シーはひとり島散策と銘打って果樹園へとお散歩に出かけていきました。

残ったルー、八の字眉幸子、レゲエちゃんが成り行きでガムランを歌って踊っていると……

突然鳴り響く雷の轟音! 続いて聞こえてきたアロハオエ~♪な音楽と共に現れたのは、なんとシーそっくりな女神様⁉︎


△演じていたのが、まさかのシー役、齋藤蓉子さん。ルー達がシーと見間違える(「あんたなんちゅー格好してるの?」)というやり取りが個人的にお気に入り。

レゲエちゃん曰くこの島にはある言い伝えがあるそう。なんでも、島が観光地化するにあたって土地開発が進み、古くから祭られていた巨大な神の石「シーニュの石」が真っ二つに割れ、その片方の石(シニフィエ)が行方不明になってしまったのだとか……。そして、残された片割れの石(シニフィアン)はシニフィエを探し求め、女の姿で彷徨い歩いているのだといいます。

……そう!派手な音楽と共に登場したこの謎の女性こそ伝説の女神シニフィアンだったのです。

「それにしても、どうしてそんな露出度高い派手な格好して歌って踊って登場するわけ? 」

ルーがふと投げかけた疑問にシニフィアンは自身の悩みを打ち明けます。

「シニフィエがいなくなってからというもの、自分でもワケがわからないまま、なぜか観光客にウケなきゃという謎の強迫観念に支配されてしまってるのです。」

聞けば、島が観光地化して以来、シニフィアン自身の行動にすっかり「意味」が抜け落ちてしまっているというのです。

そんな彼女にルーは言います。

「観光という名の幻に踊らされ、最早自分でも何をしてるのかわからなくなってるのね。一度本来の自分、自然に帰って“意味”と向き合ってきたら? あなたが本来指し示すべきものを見つけた時、きっとシニフィエちゃんも姿を現すはず……というか、あなたと一体不可分、永遠の存在となるはずよ〜!」

それを聞いたシニフィアン。観光地となる前の本来あるべき自分の姿を取り戻すべく、島の観光大使を八の字眉幸子に一任し(幸子「なんで私が〜〜〜涙」)、自然へと還っていったのでした。

本来の自分を見失ない、その行動から肝心の「意味」が抜け落ちていたシニフィアン。観光地の神という勝手に作り上げられたイメージや期待から解放され、本来の自分と向き合ったことできっとシニフィエとの再会ができたはず……。

また、このお話では登場人物の名前に使われている「シニフィアン」「シニフィエ」の言葉の意味がわかるとより深い考察ができると思うので気になった方はぜひ調べてみてください♪

浦島太郎

ある時、なぜか唐突に「生きる事に真剣に向き合おう」と思い立った八の字眉幸子。生と向き合うには出産、出産といえばウミガメ! ……という謎の連想をした彼女は海辺にてウミガメの産卵ポーズ(真顔で四つん這い)をキメていたところ、格好の餌食と言わんばかりに近所の子供達から袋叩きにあってしまいます。(そりゃそうだ! )

そこへたまたま通りかかったのは、あの有名な浦島太郎さん! 幸子は運よく彼に助けられます。助けてもらったウミガメ……もとい八の字眉幸子はお礼にと竜宮城ならぬルーシーのお家へ彼を案内し連れて来たのでした。

「それにしても浦島太郎って不思議な話よねえ」

浦島太郎を前にしたルー達は巷で有名な彼の物語について分析を始めます。亀を助けたにも関わらず、竜宮城から帰還した彼は時間の経過により自身のコミュニティを奪われ、さらには玉手箱を開けると寿命まで取りあげられお爺さんになってしまうという……何とも理不尽極まりない結末を迎えるストーリー。

しかし、その「恩を仇で返す的ストーリー」こそ真実を突いているんじゃない? とルーは指摘。

「世の中そんなに甘くないって話ね。うまい話には裏があるって事! 」

現代でも歌舞伎町から池袋、果ては錦糸町に至るまで夜な夜な繰り返されている浦島太郎の物語。他人の話とは思えない、心当たりがある人もたくさんいるはず……?

今こそ、世の中の働き盛りなお父さんに教訓として読んでもらいたい物語No.1は浦島太郎よーーー!! と一同大盛り上がり。

一方で当の浦島太郎さんはなんだか浮かないご様子……。

みんな僕の事ダメ男だと思ってますよね。時が経つのも忘れて遊びほうけて、挙句の果てには開けちゃいけないと言われた玉手箱を好奇心から開けてしまって……。」

どうやら過去の自分の行いが恥ずかしく後悔しても仕切れないといった浦島太郎さん。消したい過去がある……それはきっと多くの人が心に秘めているお悩み。共感できる方も多かったのではないでしょうか?

そんな彼をルーシー達は励まします。

「大切なのは過去を生きる事じゃなく、今を生きる事よ! とうの昔に過ぎ去った過去の忌まわしい思い出の残像に浸っている暇はないわ。心理学者アドラーに言わせれば人は3日で変われるの。気づきなさい! 望みでもすれば人は瞬時に変わる事ができるのよ〜!

過去を消す事はできなくても、未来は変えられる。ルーの助言に胸を打たれ感動した浦島太郎さんは自身の新たな夢を語るのでした。

「僕、歌舞伎町で“Stop the 竜宮城! 乙姫様には気をつけて♪ ”のキャンペーンボーイになります! 」
「素晴らしい〜〜〜! 」

こうして、過去ばかり見ていた浦島太郎は未来の自分と向き合い、新たな一歩を踏み出す事ができたのでした。

総まとめ

現代を生きるクライアントベイベー達の物語、みなさんの目には一体どう映ったでしょうか?

・心の中心にぽっかり穴が空いたような謎の虚無感に襲われてしまったトット夫人
・のんびりマイペース、悩みがないのが悩みな人魚姫
・甘い誘惑に勝てず、自分の宿命を全うできなかった事を悔いる赤ずきん
・思い込みが激しく被害妄想が暴走してしまった白雪姫
・世間からの称賛を得たいが為にこれみよがしな善行に走る桃太郎
・トランスジェンダーである事で悩み苦しんでいた白雪姫&桃太郎(同一人物)
・周囲の変化に踊らされ、自らの行動に意味がすっかり抜け落ちてしまった島の女神シニフィアン
・過去の自分の過ちが世間から非難される事を恐れる小心者な浦島太郎

彼らの悩みを解決したルーシーの言葉の数々は、私達の心にも刺さるものばかり。子供だけでなく大の大人達でもハッと目が覚めるようなお話が盛り沢山でしたね♪ 『ルーシー・フラワーズ』という作品自体が、まさに大人の為のお伽噺(教訓)なのではないかなと改めて思いました。

そして、どのお話でも共通するキーワードがある事に気づきましたでしょうか? それは、「自由」!

ルーシーの物語を読むと、人間は本来自由であっていいんだという事に気がつきます。

何らかのトラブルが発生した時、自分を縛っているのは他の誰でもない自分だという事、自分を自由にしてあげられるのも自分だという事。こう思うだけでも随分生きるのが楽になるような気がしますね。

もしもこの先何か辛い事が起きてしまった時には、ぜひルーシー達の物語と、魔法の呪文を思い出してみてはいかがでしょうか?もしかすると、あなたのお悩みもルーシー達が解決しちゃうかもしれませんよー!

『ルルタタ、ルルタタ、気にしない♪ フリーダーム! 自由って、素晴らしい!』

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写真提供:楽劇座
執筆・イラスト:めいる
(c)Rrose Sélavy