ものづくりの教科書 ライフスタイル 教室・講座 文化村スタジオ 舞台・演劇 連載

人生二毛作? もう一つの人生に演劇は如何でしょう?

さて、いよいよ本日が当サイトの正式オープンということで、“もの創りの教科書”をコンセプトとしているサイトである以上、その辺りについては少し触れておかねばならないだろう。

一応、本サイトは“演劇”と“音楽”を軸にした“もの創り”と“その拡がり”を対象としているのだが、プレオープン期間に私が書いた文章には音楽に関するものが多く、ここらで少し演劇についても触れておいた方が良かろうと思うのである。

という訳で、本日のお題は“演劇”について。

役者の資質について思うところ

昨今のテレビで繰り広げられる”ドラマという名の大きな企業宣伝”を鵜呑みにし、”役者”の条件が若くて美人・美男子などと思い込んでいるのではないだろうか? ”芸能人”ならいざ知らず、そうした思い込みが本来の”演劇”とその可能性を見えなくさせてしまう。それはとても残念なことだ。

むしろ本来、二十歳前後の女の子を「女優の〇〇チャンです!」などと紹介する方が異常な世界だ。”演じる”ということが ”技術”なのだということをちゃんと理解していればの話だが。

上記の発言と矛盾する様で申し訳ないが、私自身、テレビドラマで活躍する”アイドル女優”とでも形容すべきテレビタレントの育成に関わっていたことがあり、数々のプロデュースや演技指導などを行なってきた訳だが、”女優”などという肩書きを名乗っていたとて必ずしも”演技”が好きでやっている人ばかりとは限らない。そうした事がこうした仕事に嫌気がさした大きな原因の一つでもあるのだが。有名になってチヤホヤされるため、仕方なく学んで身につくほど”演技”の世界は浅くない。

”演技”なるもの、極めれば舞台、映画、テレビなど、どの分野においてもそれぞれ奥の深いものだとは思われるが、逆に”それらしく見せる方法”というものも存在する。生の舞台はそれにもある程度の限界はあるが、映像の世界では台詞の言い回しが少々劣っていた場合でもそれなりに見せる方法は幾らでもある。ただ、その分、美貌なり、逆に物凄くインパクトのある顔が必要となる。こうした文脈で述べるならば、現在の”ドラマという名の大きな企業宣伝”はかなりの部分がそれで成り立っていると言っても過言ではない。

こうした”演劇スタイルの経済活動”ないしは”演劇風な経済活動”と、”芸術分野の一分野としての演劇活動”を混同してはならない。

現実と理想の狭間で

もちろん、現在の様な経済社会において経済的側面を無視することは出来ない。仮に役者や脚本家、演出家らが「好きでやってるからギャラは入りません」と言ったとて、衣装を作る(買う?)にも、劇場を借りるにも最低限のお金はかかる。舞台セットや照明、音響だって専門家に発注すればそれなりのお銭はかかる。東京だったら稽古する場所だってお金を出して借りなければならない。そうなると、それを賄うためにもチケットは売れて欲しい。それなりの枚数が売り捌けなければ当然、主催団体、ないしは参加メンバーの持ち出しとなる。

地方演劇の可能性

私が度々「地方での演劇の可能性」に言及するのは、第一に”東京に比して上演場所に事欠かない”という点だ。稽古場所も同様だろう。別に劇場である必要はない。上演できる(音が出せる)空間があればそこを劇場として使えばいいだけのことだ。あとは楽劇座(うちの劇団)がTheatreRroseSélavyでの8年間毎月連続公演の実践で培った舞台セット、衣装、小道具、音楽の作り方&音響システムの構築方法など一通りの技術を提供しさえすれば、ほとんどお金をかけずに公演を制作することができる。

地方に問題点があるとすれば、お客さん(観劇人口)が少ない点だろうか。ただ、よほど大規模な公演でも打たない限り、観劇人口の多い少ないはさほど問題になるとも思えない。小劇場規模の公演を打つぐらいなら地方も東京もそれほど集客に関する条件は変わらないのではないかと思う。

”もの創りの教科書”プロジェクト

まあ、そうした誰にでも利用可能な、いわばオープンソースとしての“もの創りの方法”、この文脈では“演劇(公演)創りの方法”を公開していくのが、当サイト”もの創りの教科書”プロジェクトの目的の一つであり、そうした情報を上手いこと活用するのは皆さん自身! という訳で、“創る×遊ぶ!クリエイターのWEBマガジンRroseSélavy”を是非ともご活用して頂きたい次第であります、ハイ。

執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy