Stage 文化村スタジオ 連載

私の場合、”演劇”については思うところありますが、”いわゆる演劇” についてはどうでも良いのです。

4年前、取材で訪れた妻籠の風景。
かつて(戦中・戦後)曾祖父さんがこの地で”素人演劇”の指導をしていたことがある。
最近、どうもこの爺さんが残した伏線を回収している様なところがある。まあ、家業のようなものなので(笑)

「”演劇”をやっています」と言うのが憚られることがある。

多分、それには2つの意味がある。

一つには、私のやっている”それ”が、少なくとも”現代日本におけるステレオタイプのイメージ”としての”それ”とは随分異なることが挙げられる。

2つ目には、私には多分、いわゆる”演劇人らしい考え方”というものが欠如しているので、それを求められることに違和感を感じるという点が挙げられる。

要するに、2022年現在、東京在住の私は、ステレオタイプの”いわゆる演劇人”ではないということになる。と言うか、そもそもそうしたものに興味がないし、なりたくもない。

かと言って、”演劇”に興味がないであるとか、自分がやっていることが”演劇”ではないとも思っていない。

むしろ、”演劇”については思うところがある方だろう。

他人のやっていることにツベコベ言うのは好まない。何より時間の無駄だ。

そこで、”現在の自分の興味”(最新版)についてだけ述べることとしよう。

ではその興味とは?

一つには、オンラインを使った”演劇部の顧問の先生”向けの演出指導。これはとても大切。

2次元の作品(脚本)を、如何に3次元の立体作品(演劇)として立ち上げるか?についての指導。

言い換えると、『”演劇作品として立ち上げること”を前提とした脚本解釈(”演劇的な”脚本の読み方)と、それを現実の作品として立ち上げる上での”役者への技術指導”について』を教えたいのだ。

演出する上で、「なぜ、そのような注文(演出)を出すのか?」を、”作品解釈”と”技術(演技)”との関係において、論理的にちゃんと説明できるよう”演出術”を指導したいのだ。この辺りを”なんとなく”であるとか”雰囲気”、ひどいのになると”感”で演出(指導)してしまっているケースをよく目にする(これは必ずしも”演劇部の指導”に限らないが)。まあ、この辺りが理路整然としてくれば、自分自身も”技術”としての”演出”、その仕組みが理解出来るようになり、外国人と”初めて英語でコミュニケーションが取れた時”にも似た喜びを”演出”にも感じられるようになるのではないだろうか。いわば”知識とコミュニケーションの幸せな関係”。そうなると、仮に”押しつけられた演劇部顧問”の先生だったとしても、自分自身、”演劇”が楽しくなってくるのではないだろうか?

まあ、そうした”先生自身の技術の向上”は、言うまでもなく、生徒にもフィードバックされる。そして、その生徒もより演劇を理解するようになり、延いては日本の演劇文化も向上するという寸法。すなわち、世の中に”目利き”が増えれば、演劇興業のあり方も当然、変わって来るというわけだ。

だから”演劇部の顧問”は大切なのです。

さて、もう一つは、やはりこちらもオンラインを使った”地方での演劇活動支援”だ。

演劇を創造する上での”地方”ならではの利点がある。少なくとも私はそう考えている。

どうしてかと言えば、私たちがこの10年間で培った、いわば”ゼロベース思考の演劇術”、そうした上演方法(手法)を採用すれば、東京と比較し”上演場所”には事欠かない地方は、”演劇作品”それ自体を創るといった意味では、東京よりも”環境的には上”と言えなくもない。見方によっては、ある種”理想的”とすら言えるのだ。

そうした”地方”で活動する”純粋に演劇と取り組まれている人たち”への演劇的な支援に取り組んで行きたいと考えているのだ。もちろん、地方創生・地方の活性化にも”演劇”はもっと利用されて然るべきだろう・・・かつての妻籠のように。もちろん、プロ・アマ問わずだ。そもそもこれからはそうした線引き自体、意味をなさなくなるのではないだろうか? 現在のYouTuberと芸能人のように。

そして最後に、”私自身の作品”を新たな地平(オンライン上)で展開する為の”新たな技術”の開発。いわば”第3の演劇”について。そこに”音楽”と”演劇”の境界線をあえて曖昧にするというミッションも入って来る訳です。まあ、こちらの方の興味については以前にも書きましたが・・・

先ほどから、何かと「オンライン、オンライン」と申しておりますが、こうしてオンラインが使えるようになったことで、かつて”やりたくても出来なかったこと”が”出来るようになった”のですからやらない手はない!・・・要するに、”場所に囚われる必要がなくなった!”ということです。

ですので、現在はそうした方法を開発中と言ったところでしょうか? 来月あたりから始動予定です。

まあ、こんなことが山積みな毎日なのであります。

執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy

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