Music 文化村スタジオ 連載

世の中のスピードと、音の良し悪しにまつわるお話

ここで聴いている音が、リスナーにもそのまま届くと良いのだが・・・

よく「音が良い」とか「音が悪い」などという話を聞いたり読んだりするが、その度にちょっと困惑したりする。

個人的には、単にノイズが少ないとか解像度が高いといった様なことにはあまり興味がない。

今から20年ぐらい前、既に96kの話なんかも出ていたけれど、その後、MP3(音質的にはあまり良くない)が主流になったりしてよく分からないことになっている。

先日も、メジャーアーティストを数多く手がけた某元レコード会社プロデューサーとそうした話題になったのだけれども、「SSLでミキシングして、マスタリングの最後はラジカセで聴く」という”苦笑話”になった。まあ、だからと言って録音やミックスの音に拘ってもしょうがないという話にはならないとは思うけれども、音楽制作側と聴衆側の乖離というか、求めているものの違いについて端的に現されているエピソードだと思う。充分、考えるに値する問題ではある様に思う。

私自身、楽劇座の楽曲や、それ以前に書かれ、最近権利関係が戻ってきた楽曲の音源を多数(100曲以上)抱えている状態で、今後、CD化や主要な音楽配信等で配信していく予定ではあるのだけれど、マスターの録音状態やマスタリングの問題で今ちょうど悩んでしまっているところ。

特に舞台関係で使った音源なんかはギリギリまでやり直していたりして、録音物としてはかなり粗削りというか問題のある箇所が多かったりするものだから、何とかその辺りを修正してから世(「公に」の意)に出したいというのがあったりするのだが、手を加えると、何だか違うものになってしまったりするのですよねえ。要するに、”勢い”みたいなものが中途半端に削がれてしまう感じとでも言いましょうか。

もしかすると”ひどい部分”をそのまま”ひどい状態のまま”で残しておいた方が、むしろ音楽的には良い様な気すらして来たりするのです。

だんだん「過去は過去としてそのまま受け入れるかあ」などという境地に達しつつある私。

そうなると、妙に声が痩せている箇所だったり、場合によっては”変なノイズ”ですら”あり!”な気になって来たりもするのです。まあ、近年、音が聴こえなくなるほどの酷いノイズなんてものはそもそ存在しないのでねえ。

サブスクで昔のアルバムなんて聴きまくっていると、結構ノイジーなものがあったりするけれども、あんまり気にならないしねえ。少なくとも60~70年代のアルバムに「これがもっと鮮明なデジタル録音だったらなあ」なんて先ず思わないし。

その辺り、今の子達って良いよねえ。こういっちゃ何だが、結構”拙い曲”でもすぐネットにupして「聴いてください!」とか自信満々で書いちゃうし(笑) まだ遺伝子が傷付けられてない感じ?っていうんですかねえ。まだ世の荒波に晒されたりしていない新品同様な感じ。羨ましい。

まあ、世の中に適応したスピードという意味では”正しい”のでしょうねえ。

そういう時代なんだろうなあ。

10代の若者のフリしてTikTokあたりに毎日音楽投稿してみようかしら? プロフィールに「関数が苦手です」とか書いたりなんかして(笑) 

中高生の子に「だんだん良くなってきましたよ。頑張って!」とか書かれちゃうのかしら(笑)

なんだか楽しくなっちゃいそうで怖い。

執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy

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