ものづくりの教科書 演劇小道具工房

【演劇小道具工房/第5回】ウォルナットって何の色?知らない色はどう調べる?ニスの色名徹底解説

こんにちは、シンディこと大向しんじです。ここ『演劇小道具工房』ではお芝居で使える小道具のつくり方や、これまでに作ったアイテムたちなんかをご紹介します。

第5回は、「ニスの色名解説」をお届けです。

ニスの色名わかりにくい問題 対策本部

前回はダイソーとセリア、2つの100均ニスの比較をしましたね。同じ「ウォールナット」色でもずいぶん仕上がりが違って、やっぱり試し塗りは大事! と痛感しきりです。

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【演劇小道具工房/第4回】ダイソーとセリアの100均ニスを徹底比較!同じようで全然違います

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それにしても他の塗料と比べて木工用ニスの色名ってわかりにくくありませんか……?

以前とある公演で小道具の塗装作業をしてるとき、一緒に作業してた人から「ウォールナット……って何色? 」と聞かれ「ウォルナットは……ウォルナット色だよ……」としか答えられなかった経験があります。

だって仕方ないじゃない! ウォールナット色は! ウォールナットの色だから!! ウォールナット色なんだもん!!!

逆ギレはさておき、木工用のニスは木の名前がそのまま色名になっているものが多くあります。チーク、メープル、マホガニー、そしてウォールナットも。

木は種類によって色が違いますし、特に家具など加工されて人間の身近で使われる天然木材は、それぞれの色合いやその変化も好まれて愛用されてきました。人間の身近で愛されてきた木材たちの歴史があるからこそ、ニスの色も「この木材っぽい色」として設定されているのでしょうね。

とはいえ、現代日本の生活では木材ごとの色味を意識する機会なんて少ないのではないでしょうか。前回「同じ色名でもこんなに違う! 」と学んだばかりなのに、色の名前の時点で曖昧ならハードルは上がる一方ですよね。

そこで今回は、ニスの色を判断するのに役立つ木材の色名紹介をしていきます! あくまで塗料の色を判断する意図で、木材としての解説ではないので注意して下さいね。

ウォールナット -Walnut-

焦げ茶です。チョコレートやコーヒーの様な深い焦げ茶。色味はあまりありません。重厚感、高級感が出ます。

ざっくり言うとクルミの仲間です。余談ですがシルバニアファミリーの「くるみリスファミリー」の苗字がウォルナット家ですね。木材としては固くて重いので、高級家具やエレガントな内装など重厚な調度品に使われている木のイメージです。

アンティーク風の汚しなどに使う場合、うまくすると「可愛すぎない渋アンティーク感」が出るのですが、色味が薄いので黒い汚れっぽく見えてしまう場合もあるので注意です。

チーク -Teak-

ややオレンジ~イエローがかったブラウンが多い印象です。飴色とか琥珀色とか形容されるような色ですね。

こちらも高級家具に使われる木ですが、色味がある分ウォルナットよりも暖かい印象です。ちょっとモダンな北欧雑貨とか、子供の遊ぶ木の玩具とかに使われる木のイメージですね。

油分を多く含んだ木材なので、経年でその油分が抜けることで深みのあるオレンジ系の色に変化していくそうです。ニスとしてよくある色はそのイメージかもしれないですね。

メープル -Maple-

メープルとついている色名はわりと幅が広く、ざっくり3パターンある印象です。

よくある順に「オレンジがかった褐色」「柔らかいブラウン」「ナチュラルなイエローベージュ」の3つです。どのタイプでも高級感というよりは、ナチュラルで素朴なニュアンスが出やすいと思います。

木材として使われる時は乳白色、ベージュと形容される無垢材であることが多いです。清潔感がある白壁や新築のお家に似合いそうな木のイメージですね。3パターン目の色はおそらくこの色を想定したものです。

メープルの木はタンニンという成分が多く含まれていて、それが酸化することで褐色~赤茶色になります。緑茶を淹れて時間が経つと茶色くなるじゃないですか、あれと同じ現象が木でも起こるんですね。1パターン目、2パターン目はこの色ですね。

あとメープルと言われるとついメープルシロップを想起してしまう人が多いから(そんなことないですか? 僕はそうです)それでわかりやすくオレンジみのある色が多いのかな……? と勝手に思ってます。

どのタイプでも暖かい、素朴な色という印象です。

エボニー(黒檀) -Ebony-

かなり暗いブラウン。明度も彩度も低めです。色名としてある場合は大抵「ウォルナット以上に黒に近い」と思って良いと思います。

日本人には『黒檀』という名前の方がピンときやすいかもしれません。本物を見たことが無くても漢字で「黒」って入っているからイメージしやすいですね。

仏壇仏具、ピアノの黒鍵、弦楽器の指板、チェスの盤や駒、お箸、櫛など、黒い木の中でも細かい装飾材や工芸品などに使われているイメージです。

けやき -Zelkova-

黄~赤系の褐色です。日本国内でも木材として使われてきた木で、和太鼓の胴体部分に使われる木というと色がイメージしやすいかもしれません。

それもあって他の色よりも和風のアイテムに合いやすい気がします。ウォールナットやエボニーなんかも和風テイストに合うんですが、あまり黒っぽくは無いニュートラルな木の色の和アイテムには特に良いと思います。

マホガニー -Mahogany-

赤みがかった茶色。素朴さよりは上品や渋さのある深い赤です。繊細な細工が施された高級家具、高級車のダッシュボード、ギターのネックなどに使われている赤茶色っぽい木のイメージです。

現在では複数種のマホガニーがワシントン条約で保護されているため、かつてよりも流通が減り、稀少な木材となっているそうです。もしやダイソーのニスリニューアルと共にカラーラインナップから外れたのは馴染みが薄くなったから……?
 

オーク -Oak-

茶色です。「いやだいたい茶色なのはわかってるんだよ」と思われるでしょうが茶色です。

というのもオーク材は種や経年によってライトブラウンから焦げ茶まで幅広い色を持つため、塗料の色名として使われる時も「どんなオークを意識しているか」の幅が非常に広いのです。

メーカーによっては「ライトオーク」「ダークオーク」とわざわざ色を分けているところもあります。正直なところ、色のキャパシティが広すぎて「こういう色です!」と言うのが難しいです。あえて言うならチークから黄みを減らした茶色、というのが近いでしょうか……いやでもやっぱり物によるな……。

そんなオーク材の色ですが、イメージするだけならしやすくなるとっておきの存在があります。

オークは高い耐水性と耐久性を持つので、ワインやウイスキーの樽に使われてきた木材なんです。

だから海賊船に積まれてる樽をイメージして下さい。その色です。(海賊船じゃなくてもいいです)

さいごに

そもそも「色を他人にわかりやすく伝える」というのは本来とても難しいことです。僕とあなたが同じ色を見ていたとしても、それを同じように捉えている保証はどこにもないんですものね。

その点、木の名前を関した色名はわかりにくく感じることもありますが、「その木が何に使われるか」を知ると「あー! ああいう感じに使われる木ね!」と急にピンと来る事があります。

もしここで紹介していない木材の色名に遭遇して画像検索してもいまいちピンと来ない……という時は、その木材の用途を調べるとわかりやすくなるかもしれません。

もちろん忘れてはいけないのは、あくまでその色名は「各メーカーが想定している色のイメージ」ということ。素材に塗ってみないと実際の色はわかりませんから『塗装の前には試し塗り』はやっぱり鉄則です。

でもこれらのイメージがあるとないとでは、塗料選びのアドバンテージが大きく変わります。特にお芝居の小道具ではそれに関わる人物がいるはずです。人物とそのアイテムとの関係に、素材の背景も合わせて考えるとよりイメージが深まりますよ!

あなたの作品がより理想に近づくための参考になりましたら幸いです!

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執筆:大向しんじ
(c)Rrose Sélavy

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